看護師が老健で直面する難題

看護師が老健で働くメリットにはさまざまなものがありますが、一方で難題に直面することも珍しくありません。最も顕著なのが、入居者一人ひとりに対するケアの時間が不足しがちな点です。老健では、看護師一人あたりが担当する入居者数が多くなります。そのため、入居者一人ひとりに対して十分な時間を割くことが難しいのです。高齢者は、体調や精神状態の変化が起きやすいのも注意が必要でしょう。細やかな注意と時間が求められることから、この問題は看護師にとって大きなストレスとなります。ケアの質を保ちつつ、全ての入居者を適切にサポートするには、バランスの取り方が大事になってくるでしょう。

さらに、老健で働く看護師は、心理的な負担も大きいと言えます。高齢者をケアするにあたり、身体の健康だけでなく心の健康にも気を配らなければいけません。高齢者の中には孤独感や不安、抑うつといった感情を抱えている人も多いです。こうしたマイナスの感情は、時として看護師自身の心にも影響を及ぼし、精神的な負担となります。繰り返しになりますが、看護師は入居者の身体的な健康のサポートはもちろんのこと、心のケアも行う必要があるでしょう。精神的な面でサポートを求める入居者に対応することで、自分の心理的な負担が増大することもあります。このような状況において、看護師はプロフェッショナルとして冷静さを保つとともに、入居者の心に寄り添う優しさを持ち合わせる必要もあり、そのバランスを心がけることを忘れてはいけません。